07.Aug.2018
Art

現代アート&植物園という夢の空間

イニョチン美術館

 イニョチン美術館はブラジルの内陸部、ミナス・ジェライス州の州都ベロ・オリゾンチ市からバスで1時間半の距離に位置する。2006年に開園した美術館のそのコンセプトは世界でも非常にユニーク。ブラジル原産の豊かな植物が溢れる広大な植物園の間を縫って、世界から集めた先鋭的なデザインのパビリオンと現代アート作品が散りばめられている。

 日本からは草間彌生のギリシャ神話のモチーフをもとにしたナルキッソス・ガーデンがあるのも日本人にはうれしいところ。生物多様性に関する豊富なアーカイヴもあり、こども・大人向けのワークショップも随時開催されているのでポルトガル語が堪能な方はこちらに参加してもよいだろう。

 施設は140ヘクタールと非常に広く、一日ではなかなか回ることはできないが、お金と時間に余裕があれば、隣接しているホテルやポサーダでゆっくり過ごすのもよいし、カートに乗ることも可能。さらに多くの椅子(これがまたオシャレ)がところどころにあるので歩き回っても疲れることはない。レストランも数軒あり、洗練されたブラジル料理やブラジルで獲れたばかりのフルーツフレッシュジュースのスタンドなど全体的によくプラニングされ、一日ゆっくり滞在できるデザインになっている。

 魅力に溢れる空間だが、中でも最も印象的なのが植物が生み出すアロマとアートのコンビネーション。雨が降ることもよくあるが、水が生みだす景観の移り変わりもまた美しいばかり。

    日本からは少々遠いが、アートと森林浴という充実した一日を送るために訪れてみる価値は十分にあるだろう。

アクセス:ブラジル、ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンチ市内中央ターミナルからバス(1日に1本のみ、8:30発)あり。
開館日:火曜~日曜、水曜無料、月曜休館

http://www.inhotim.org.br/visite/ingresso/